条件つきのストローク

 

 実はプラスストロークといっても、私たちが最も安心するのは「無条件のプラスストローク」を得たときです。ということは、「条件つきのプラスストローク」というものが存在します。

 

 この条件つきのプラスストロークは、マイナスストロークと同じくらい厄介なものだと思ってください。もちろん、ストロークの法則に従えば、「無条件のプラスストロークが得られないとき、何もないよりはましなので、条件つきのストロークを得ようとする」わけです。

 

 条件つきストロークとは、その名の通り、ストロークに条件がついていて、その条件を呑んで、初めて手に入るストロークのことです(プラスもマイナスもあります)。

 

 「条件つきのプラスストローク」


 家事も仕事もこなすからよい奥さん、妹の面倒を見るからよいお姉ちゃん、いつもお仕事をしてくれるから立派なお父さん、よく食べるからよい子、手がかからないからよい息子、愚痴を言わないからよい母、いつも目標達成できているからよい社員、などです。

 

「条件つきのマイナスストローク」

 勉強をしないとおやつ無し、子どもの産めない嫁は役立たず、残業をしないとやる気のない社員、寝たきりになったら生きている価値がない、子育てが終わらない限り自由はない、早く就職しないと一人前ではない、やせていないと好かれない、目標達成しないとダメな人間、などです。

 

 おわかりのように、何らかの条件をクリアすれば、その報酬としてストロークが得られるというものです。

 

 

無条件のストロークとの違いがわかりますか?

 

「無条件のプラスストローク」

 

 どんな状態でも、ありのまま、そのままで、よい奥さん、よいお姉ちゃん、立派なお父さん、よい子、よい息子、よい母、よい社員、もっと言えば、それぞれの役割なくしても一人の人間として、ありのままのあなたでОKであり、存在価値があるということです。

 

 

「無条件のマイナスストローク」


 何をどうやっても、ダメな子、役立たずな嫁、評価されない社員、生きている価値がない、自由のない親、一人前ではない人間、愛されない、ダメ人間ということです。もっと言えば、それぞれの役割なくしても、一人の人間としてあなたの存在自体がNОだということです。

 

 

 どんなあなたでも、そこに居るだけで無条件にОKだったり、無条件にNОだというメッセージが与えられることです。

 

2種類の傷と症状

 

「こころの傷」は、無条件のプラスストローク以外のもの、つまり無条件のマイナスストローク・条件つきのマイナスストローク・条件つきのプラスストロークでできてしまいます。条件をつけられるということは、無条件の「ありのままの自分」は否定されているわけですから、どちらにしても、本来の自分の存在価値は、認められていないわけです。それは、こころにダメージを与えます。そして、自尊心の低さにつながっていくのです。それが、軽いものであれ、重いものであれ、その傷を癒すには、無条件のストロークしかないのです。

 

 ここで、皆さんに知っておいてほしいのは、傷は傷でも、その傷跡の変化、傷の応急手当の方法、そして周囲に与える影響が、最初のストロークの種類によって、違ってくるということです。

 同じ傷でも、傷の後遺症が「依存」になる人と「共依存」になる人に分かれるのです。