ストレスって何だろう?

『ストレス』という言葉は、私たちの生活に非常に身近な言葉です。

 しかしこの『ストレス』は、身体症状として現れてくることはあっても、視覚的に見える形が無いため、自分のストレスを他者に理解してもらうことは難しいものです。それに加え、個人差も大きいため、ストレスに関する考え方も考慮すると、ストレスは感じる人によって捉え方が大きく変わることが想像できます。

 

 ではここで、あなたがストレスを感じる場面を思い浮かべてみましょう。

 昨日就寝時間が遅くなって、疲れが取れない状況にストレスを感じる人もいれば、嫌いな人と同じ空間にいるだけでストレスを感じる人もいることでしょう。また、仕事が多すぎてストレスを感じる人がいるかと思えば、それとは逆に、仕事が無いことにストレスを感じる人もいるかもしれません。

 

 このように、ストレスは人によって違いますし、ストレスを感じる度合いも人によって様々です。そのため、ある人が非常に強いストレスを感じて困っていても、「あの人が弱いからいけないんだ!」とか、「根性が無い!」など批判めいた発言が出てくることもあるのです。

 

 この批判めいた発言は、ストレスを強く感じて苦しんでいる人を更に追い詰め、悪循環に陥れてしまいます。このような発言をしてしまう人の特徴としては、「自分はできる!」「自分はこれまで耐えてきた!」などの経験を持っている人が多いようです。

 

 しかし、このように自己中心的に考えて、他者を苦しめるというリスクがあまりに高すぎます。このような状況では、ストレスがまた誰かのストレスを生むという悪循環に陥ってしまう可能性も考えられるのです。

 

 このような状態を防ぐためには、まずストレスについて正しく理解することが非常に有用です。

 まずはストレスの正体を探って、あなたのストレス度もチェックしながら、最後にストレスへの対処法を学んでいきましょう。

① ストレスの正体を探ろう!

 

 私たちはストレスの形を目で見ることは出来ませんが、ストレス状態をより理解しやすくイメージすることはできます。

 

 ストレス状態をイメージすると、左の図のようになります。

 

 風船が『心』だと思ってください。

 そして、風船を押す人差し指がストレス状態をもたらす要因です。この要因を『ストレッサー』と言います。

 

 指で圧力をかけられなければ、風船は丸い形をキープでき、安定した圧力を保つことが出来ますが、指で抑えられることによって圧力の密度が変わり、”割れるかもしれない...”という危機的な状況を作り出してしまいます。

 

この危機的な状況が、まさにストレスを感じている心の状態なのです。

 

 指が深く入れば入るほど割れる危険性は高くなりますし、風船の強度によっても割れる危険性は変わってきます。

 この変化が『ストレスに対する個人差』となって現れてくるのです。

 

 では、ストレスの素となる『ストレッサー』に注目して、ストレスのメカニズムを理解していきましょう!

 

 ★ストレッサーを学ぼう★


 ストレッサーには、色々な種類があります。

 大まかに分けると、不安や緊張など自分の内面による「内的ストレッサー」と、環境などによる「外的ストレッサー」の2種類が存在しています。

 

この2種類のストレッサーは、さらに2つに分かりやすく提示すると、下のようになります。

 

内的

ストレッサー

 

外的

ストレッサー

 

心理的

ストレス

不安、怒り、緊張

憎しみ、淋しさ、

自己肯定感低、

自信のなさ など

物理的

ストレス

季節の温度差、

悪臭、薬物、

騒音  など

身体的

ストレス

疲労、怪我、疾病

不眠、健康障害、など

社会的

ストレス

人間関係、

経済状況、

職場環境、

学校環境、

など

 

 このように、ストレッサーとなる要因はたくさんありますが、どのストレッサーも私たちに非常に身近なものなのです。

 

 あるストレッサーによってストレスと感じるかどうかは、その時の心の状態や環境によって違ってくるかも知れません。

 しかし、他者がストレスを感じているときに、”どんなストレッサーが影響を与えているのか”を客観的に考えてみると、これまでとは違う見方でストレスを認識できるようになります。是非、試してみて下さい。

 

② あなたのストレスをチェック!

 

 ここまで、ストレスの正体について学んできました。気分転換にあなたのストレス度をチェックしてみましょう。

 

 一生懸命学びを深めてきたので、多少ストレスが高く出てきてしまうことも考慮しながら、どの程度ストレスが溜まっているのかチェックしてみましょう。

簡単ストレス度チェック


 これから20問の質問をします。今のあなたに当てはまる□に、チェックを入れていきましょう。

 

□体がだるい         □集中できない

□イライラする        □やる気がでない

□人と話すのがおっくう    □最近頭痛がする

□最近良く風邪を引く     □食欲がない

□衝動買いをしてしまう    □暴飲暴食をしてしまう

□最近お酒の量が増えた    □考えが上手くまとまらない

□ちょっとしたことに腹が立つ □全てを投げ出して逃げたくなる

  

     □いくら寝ても寝足りない感じがする

     □朝気持ちよく目覚めることが少ない

     □何かショックなことがあると一人で抱え込んでしまう

     □誰かに怒りをぶつけたいけどぶつけられない

     □最近良く夢を見るようになった

     □最近思い通りにいかないことが多い

 

 さて、あなたはいくつチェックがつきましたか?
 では、あなたのストレス度をチェックしてみましょう。
下の表で、あなたのチェックの数が当てはまるところを見てみましょう。

          ☆ ストレス解釈表 ☆

 
チェックの数 ストレス度      状   態
0~4個 20%

 今のあなたは、適度なストレス状態に

います。気分転換が上手にできている

傾向も窺えます。

 この調子で、気分転換を上手に行い、

ストレスに苦しまないように普段から

意識しておきましょう。

5~12個 50%

  今のあなたは、ストレスを感じてい

るはずです。そのストレスは、つらくて

どうしよもない、というものではないか

もしれませんが、身体的な症状も出てく

る可能性が考えられます。

 至急、環境の整備を行いましょう。

13~17個 80%

  今のあなたは、かなりのストレ

感じています。大変危険な状態です。

症状が悪化する前に、生活習慣の改善

を心掛け、一人で悩みを抱えないよう

にしましょう。

18以上 90%以上

  今のあなたの状態では、どんどん

循環に陥ってしまうかもしれません。

 どのようにストレスと向き合ってい

くかなど、具体的な方法を真剣に考えて

いく必要があります。

 

 あなたのストレスは何パーセントでしたか?

 ストレスを軽視せず、自分の心の状態を常に意識して、自分の心を大切にしましょう。

 

③ ストレス解消法

 

 ・生活リズムを整える

 

 ・運動をする

 

 ・美味しいご飯を食べる

 

 ・リラックスできる居場所を見つける

 

自分なりのストレスとの向き合い方を見つけていきましょう。

 

Column

リラックスの大切さ

 

 私たちは、『癖』を持っています。

 この癖は時に、私たちの体を緊張させ、肩こりや頭痛などを生じさせることがあるのです。

 

 そんな時は、体の力を抜いてリラックスすることが大切です。

私たちが思う以上に、体の力を抜くのは難しく、抜いているつもりで抜いていない状況が長く続くと、ストレスが溜まってきます。

 

 アロマキャンドルやリラックスできる音楽を聞くなどして、力を抜きやすい環境を作り、そして心の中を無にしてみましょう。

 

 今抱えている問題や、揉め事から少し離れて、何も考えない時間を作ってみましょう。色々考えたりせず、時にはリラックスして心を休めてみて下さい。